文部科学省長期留学生派遣制度

一週間前の新聞に『プレシデント Family』という雑誌の広告を見つけた。
「子供を元気にする、親も元気になる。待望のファミリーマガジン誕生!」だそうである。

そしてその広告欄には次のような言葉が踊っている。
「頭のいい子の親の顔(!!!)」
「教育のプロ、栄養学の専門家が太鼓判 『学力は家で伸ばす!』 賢い父母の3つの習慣(!!!)」


笑える広告だが、こういったことに対する関心が強いということは、日本が学歴社会であることを端的に示している。現実においては「能力主義」は、必ずしも学歴の壁というものを崩していないのである。



僕はイギリスの大学院で学位を取得する際、上の奨学金制度のお世話になった。
これは、2004年に設立された給付式の奨学金で、飛行機代・学費・生活費を含めて海外の大学院において学位を取得するのに必要な費用を全て負担してくれるものである。


政府系金融機関の統廃合が予定され、ODAへの風当たりも強くなるなかで、このような奨学金制度が設立されたことは、本当に素晴らしいことだと思う。

「日本の国際競争力の強化」や「国際機関で働く日本人を増やすこと」などが、この奨学金の設立目的なのだが、それを支えているのはやはり日本政府の危機感であろう。
それは、例えば欧米の名門大学における中国人留学生の数と日本人留学生の数の間にある圧倒的な差が生む危機感である。この差が例えば10年後、国際社会において意味を持ちえない訳がない。それはビジネスの面でも、国家間のポリティックスの面でもそうである。


志の高い、多くの学生が同制度に応募することを願ってやまない。



突然この制度を紹介したのは、今年度中に提出しなければならない「留学報告書」の作成に今日とりかかったためだ。
書かなければいけない内容項目のなかに、「留学全体を通しての感想」とか「後輩へのアドバイス」といったものがある。

これまでの日記でも、「留学をふり返って」思ったことを少し書いたことがある。明日、改めてそれらをまとめてみようと思う。