続・続 『クラバート』 

少し気恥ずかしいが。


『クラバート』から。


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.....「でも、どうしてそうなるんだろう?」と、クラバートはたずねた。「あの娘に魔法が使えると思うかい?」

「おれたちのとはちがう魔法だな」と、ユーローは言った。「苦労して習得しなければならない種類の魔法がある。それが『魔法典』に書いてある魔法だ。記号につぐ記号、呪文につぐ呪文で習得してゆく。それからもうひとつ、心の奥底からはぐくまれる魔法がある。愛する人にたいする心配からうまれる魔法だ。なかなか理解しがたいことだってことはおれにもわかる。― でも、おまえはそれを信頼すべきだよ、クラバート。」 (p.355)


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知識だけでは本当に無力なんだ。
そして、このことがまさに示される『クラバート』の結末は感動的である。



A HAPPY NEW YEAR!!!